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クラミジアについて
クラミジアと聞いて、まず最初に何を連想するでしょうか。ほとんどの人は、漠然としたイメージしか持てず、具体的な連想はできないのではないかと思います。
クラミジアは、名前こそ有名ですが、どういった病気なのかはあまり周知されていません。
本記事では、クラミジアについて、症状や感染経路、治療法などを、順を追って解説していきます。
クラミジアとは
クラミジアとは、クラミジア・トラコマティスという細菌が引き起こす性感染症です。
数多ある性感染症の中で、最も罹患者が多いとされています。女性のほうが発症しやすいですが、男女共に罹患の可能性は非常に高いです。というのも、クラミジアは、細菌自体は弱くても感染力がとても強いからです。
感染・発症はしやすいですが、早期の発見が非常に難しいのが特徴で、とても厄介な病気と言えます。
特に性的接触の機会が多い10代から20代にかけて多く見られますが、もちろん他の世代の患者も多くいます。
罹患者が多い理由
細菌そのものは弱いクラミジアですが、なぜ罹患者が多いのか。それは、本人が自覚していないがために他者へ感染させてしまうという循環ができあがってしまっていることと、クラミジアを発症していることに気付きづらいことに原因があります。
特に、カップルなどの間では、卓球のラリーのように感染するピンポン感染が多く、その中から浮気やら不倫やらで全く別の相手に……という経路が出来上がってしまっているのです。
特定の倫理観を持つ人たちにかかりやすく、その特定層が結構な人数存在する、というのも、クラミジアの特徴です。
現代のクラミジア
第一項目で、女性の患者のほうが多いと述べたとおり、クラミジアに罹患している女性は多いです。これは感染経路の事情によるものです。
クラミジア罹患者の報告数の多さは、年を経るごとに増加しているとも減少しているとも言い難い、微妙なラインですが、いつでも共通しているのは「若年層の感染・発症がきわめて多いこと」です。
まだ体が出来上がっていない10代などは特に、ホルモンバランスが整っていなかったり免疫力が十分な状態ではないのに性行為に及ぶなどして、感染したり他者に感染させてしまったりするケースが後を絶ちません。
しかし、現代では、自宅にいながら自分で検査をすることができます。なので、これからは減少していく、と考えたいところですね。
流行の可能性
クラミジアの流行については、十分考えられます。
感染していることに無自覚な状態で、性行為およびそれに準ずる行為に及んだり、性的接触をしたら、相手に感染させてしまうのは自明の理です。しかもそれに気付かないので、他の性感染症に比べて症例数が多いのです。
ただ、性感染症の中で、一番流行しやすい、というわけではありません。流行し易いかもしれない、くらいのものです。
要するに、「他の性感染症よりも、罹患の可能性が高く、それに気付けずに多くの人にうつしてしまうかもしれない。そういうケースが増えれば流行してしまうかもしれない」、ということです。
クラミジアが呼ぶ他の病気
クラミジアは、そのものは死に至るほどの重篤が症状はあらわれません。クラミジアの症状自体は至って軽微なものです。
しかし、放置し続けてしまうと、男女共に不妊症の原因になったり、女性に限っては子宮外妊娠などに繋がる場合があります。
今は子供を作る気がなくても、生きていく中で、いずれ「やっぱり子供がほしい」と思ったときに、非常に困ってしまう……なんてことがありえるわけです。
クラミジアは、なかなか厄介な性質を持っているのです。
クラミジアの症状
クラミジアについて、非常にざっくりではありますが、多少ご理解いただけたかと思います。次は、具体的な症状を知っておき、「もしかしたら」と考えたとき即座に対応できるようにしておかなければいけません。知っているのと知らないのとでは、大きく変わります。
なるべく医療的な情報を取り入れ、それを噛み砕いて、症状を紹介していきます。
潜伏期間が長い
クラミジアは、男女関係なく、潜伏期間が長いです。開きはありますが、およそ1週間から3週間ほど。発症していなくても、感染している期間がそれだけあるのですから、その期間に他者にうつしてしまったり、逆にうつされてしまうことが多いです。
とても遊び人であるとか、行きずりの相手と性行為をしたり、それからも何人もと寝た……なんて人は、感染源を特定できないこともあるでしょう。遊びは程ほどが一番スマートですよ。
ほとんどが無症状
「症状を紹介」などと大口を叩いてしまいましたが、実はこのとおり、クラミジアはほとんどの場合が無症状なのです。
発症していることに気付けない、気付きづらいということも大きく関係しています。
自覚症状があったとしても、それも大変軽微なもので、性感染症の中でも、比較的姑息な印象を受けます。
排尿時の痛み
軽微な自覚症状の中のひとつが、この排尿時の痛みです。男女共にあらわれる場合があります。
排尿時にわずかな痛みを伴いますが、膀胱炎のような痛みではないようです。また、この痛みも一時的なものだろうと無視してしまいがちで、だからこそ気付きづらいんですね。
分泌液の増加
女性ならおりものの増加がみられる場合があります。男性の場合は、水っぽい白濁液の分泌がみられることがあります。
しかし、ほとんどの人が無症状、と述べたように、こういった症状があらわれることも少なく、おりものの増加などは特に、体調などにも左右されますから、見極めが非常に難しいです。
女性特有の症状
おりものの増加もそうですが、女性には女性特有の、クラミジアの症状があります。
軽い生理痛のような痛みがあったり、不正出血がみられたりすることです。不正出血は比較的わかりやすいですが、生理痛のような痛みは、ごくごく軽微であれば、「ちょっと調子が悪いな」くらいでスルーしてしまいますよね。
生理痛のような痛みは、子宮頚管炎によるものとされ、これはクラミジアの症状というよりは、クラミジアが呼んできた違う病気・炎症です。クラミジアは他の病気を呼び寄せるのです。
クラミジアは、クラミジアそのものよりも、二次障害的に引き起こされるほかの病気や症状の方が、自覚を促し、また、危険を伴っているということです。
危険な病気をクラミジアが呼び寄せる前に気付けるのが理想ですが、女性は男性よりも無症状の場合が多く、なんと感染者の約8割が無症状。特に何も無くても、検査するのが一番なのかもしれません。
クラミジアの感染経路
クラミジアは、細菌自体は弱いものの、感染力はとても強いです。感染経路は限られているため、それを把握しておくことが、予防でもあり、治療にもなります。
感染する経路は本当に限られているので、きちんと知っておきましょう。
性行為による感染
一般的な膣性交をメインとした性行為による感染です。コンドームを着用しなかったり、着用しても適切な使い方ではなかったりすうと、挿入こそしなくても、素股などの軽い接触でも感染すると考えてよいでしょう。
性行為による感染には、性的接触全般が含まれていますが、とりわけ気を付けていただきたいのが、オーラルセックスとアナルセックスです。このふたつは、項目を分けて解説します。
オーラルセックスによる感染
口を使って性器に接触することがメインの性行為ですね。フェラチオやクンニなどがオーラルセックスと呼ばれます。それ以外、特に挿入などはしないセックスです。
実は、クラミジアは、「性器と粘膜が接触すること」で感染します。
そのため、オーラルセックスだからクラミジアには感染していない、ということは無いのです。なお、オーラルセックスによるクラミジアへの感染は、咽頭感染と呼ばれます。
さらに、口の中全体にクラミジア菌が広がってしまっている状態でキスをすると、唾液を経由して感染してしまう可能性もあります。恐ろしいですね。
アナルセックスによる感染
アナルでのセックスは、独特の快感から癖になる人が多い一方で、リスクも非常に多いです。
アナルセックスによってクラミジアに感染した場合は、直腸感染と呼ばれます。
直腸までペニスが届いてないから大丈夫だとか、ちゃんと下準備としてしっかり腸内洗浄までしたから大丈夫だとか、そういったことは一切ありません。
コンドームを正しく使用していれば、ある程度のリスクは軽減できるものの、使用したコンドームを捨てる際に触った手を洗浄せずに粘膜に触れれば、感染します。油断は禁物です。
産道からの母子感染
主に出産する際に、膣内部の粘膜から赤ちゃんに感染する可能性・経路があります。いわゆる母子感染です。出産時以外にも、羊水にクラミジアが感染してしまい、赤ちゃんにも感染する可能性があります。他にも、感染する以外で、早産や流産に繋がる可能性もあります。
赤ちゃんにクラミジア菌が感染してしまった場合、結膜炎や呼吸器炎を患うことが多く、非常に危険です。他の性感染症も、母子感染は一般的な感染よりも重篤な場合が多いですが、クラミジアはその中でも顕著なほうです。
しっかりと対策をするのが大切です。
タオルなどの共有では感染しない
感染経路の中には、「クラミジア感染者の体液に触れた手で目を擦り、感染」というものもあるのですが、こういった感染経路は、あくまでも、生きた菌がすぐに他者の粘膜に触れることによる感染です。クラミジア菌は弱いのです。
タオルの共有や、浴槽の共有などでは、クラミジアは感染しません。ですので、以上紹介した感染経路に気を付けていれば、クラミジアに関しては安心して大丈夫です。
クラミジアの予防方法
クラミジアがどんな病気なのか、ある程度ご理解いただけたでしょうか。舐めてかかっていると危ない病気なのです。
それがわかったとき、気になるのは予防方法ですよね。感染経路が分かれば、自然と対策も分かってしまいそうですが、意外な抜け道や落とし穴も存在するので、それらを解説させていただきます。
性行為自体を控える
たいていの人は、最初にこれを思い浮かべるかと思います。実際に、もっともシンプルでもっとも確実な予防方法です。性行為自体を控えれば、性感染症にかかりようがありませんからね。誰が感染してしまっているかわかりづらい、わからないことが多いので、尚更です。
ただ、そうはいっても、性行為を完全に絶つことができる人は最初から当記事に辿り着かないのでは、と思いますので、他の方法や対策も挙げていきます。
不特定多数との性行為をやめる
セックス自体がダメ、というわけではないのです。特定の相手が決まっていれば、一緒に治療するなどの対策が取れます。しかし、不特定多数を相手にしていると、その中にいるかもわからないクラミジア感染者から病気をもらってしまうかもしれません。それはなるべく避けたいところです。
ですので、セックスパートナーは人数を絞って、できれば一人、多くても二人程度にとどめて、フラフラと遊びまわるのをやめるのが吉でしょう。
予防としては効果的です。最初から不特定多数となんてしていない、という人は、引き続きその姿勢を保ってください。
セックスパートナーが多数いる相手との性行為は避ける
これは自己申告に頼るしかありませんが、結構な人数、不特定な相手とセックスをする人は、たいてい自慢げになっていますので、そういう人とはセックスしないのが良いと思います。自ら申告してくれる、というより、筆者の経験上男女共になぜか「すごいだろう」とばかりに語ってくるので、避けやすいです。
とはいえ、中には自慢をしてこない人、そういった素振りが見えない人もいますので、要注意です。
特定のパートナーとしか性行為をしていないけれどもクラミジアになった、という人は、パートナーと共に治療をしましょう。治療後、またクラミジアになった、という場合は、パートナーが浮気か不倫をしている可能性がありますので、再度の治療ついでに倫理観を身につけてもらうといいですね。
コンドームの正しい使用
フェラチオなども当てはまることなのですが、性行為は基本的に、ずっとコンドームを正しく使うべきものです。正しくコンドームを使うことは、きちんとした予防にも繋がります。
どうしてもセックスがしたい、とか、どうしても準性行為に及ばざるを得ない、という人などは、きちんとコンドームとペニスの間に空気が入らないようにして、しっかり根元までゴムをおろす、ということが大切です。
間違った使い方をしても意味はありませんので、念のため、コンドームの箱や説明書などを見て、確認すると良いかもしれません。
クラミジアの検査キットのご紹介
クラミジアは、いくら予防しても性行為の経験がある限りは観戦している可能性が高いのが特徴でもあります。とりわけ、日常的に性行為をしていたり、そういったお仕事のかたなどは特に、クラミジアや性病への不安が強いでしょう。
今は、保健センターや病院に行かなくても、自宅でセルフ検査ができる時代です。
そのセルフ検査用のキットの中から、特におすすめできる検査キットをご紹介します。
すべて男性用と女性用で分かれており、検体の採取方法や検体そのものも共通していますが、各キットの項目で説明します。
ただし、ご紹介するものはすべて性器クラミジアの検査キットになりますので、喉のクラミジアの検査は、喉用の検査キットが必要になります。ご了承ください。
GME医学検査研究所
性病やがんの郵送検査の業界のなか、屈指の精密さを誇る医学検査研究所の検査キットです。
クラミジアを検査するには、クラミジア検査キットのみで、少々割高に感じられるかもしれませんが、検体の採取に失敗した場合は無料で採取しなおせるようキットを郵送してくれるサービスがあり、安心して検体の採取ができます。
男性は、尿で検査をします。こちらの検査キットの場合、朝の起床後の、出始めの尿を使用します。起床後という縛りはありますが、前日の夜などに準備をしておけば、なんてことはありません。出かけるついでにポストに検体を投函、ということもできるので、割とお手軽です。
女性は、膣内の膣分泌液で検査をします。膣内の分泌液を拭って採取し、それを検体として郵送するのです。こちらの検査キットは、販売ページに採取方法の解説動画がありますので、それを見ながら採取することもできます。
うまく採取することが出来るか不安、という方に、特にオススメです。
STD研究所
プライバシーを重視しており、郵送検査なのになんと匿名で検査が受けられるのが、こちらの検査キットです。
匿名でも、しっかりとした精密な検査をしてくれます。ホームページには各性病の説明や検査方法も載っており、なおかつ性感染症専門の研究所ですので、安心して検査を受けられます。
こちらも性器クラミジアを検査するには、キットは性器クラミジア用なのですが、その分精度が高い、と考えて問題ありません。
男性の場合、やはり尿で検査します。こちらの検査キットでは、起床後などの縛りは、「前回の排尿から2時間以上経った後」のみです。自分のタイミングで検体を取ることができて、素早く結果を知ることが出来るので、マイペースだったり、自分の生活リズムを変えるのが難しい男性は、こちらのキットがオススメです。
女性の場合も、やはり膣分泌液を検体として検査します。生理の最中でなければ、いつでも大丈夫です。採取する棒が、他の検査キットに比べても長めですが、細いので痛みを伴うことはないでしょう。安心して採取してください。
ふじメディカル
一度にさまざまな性病の検査ができる検査キットを売りにしており、それくらい検査の精度も技術も高いのが、ふじメディカルの郵送検査です。検査結果はウェブ上でも確認することができて、結果通知の書類はコンビに受け取りも可能です。こっそり、誰にもバレないように検査がしたい……という人に強くオススメします。
クラミジアに罹患していないかどうかを調べる場合は、クラミジアについても調べられるキットを使うことになります。先に紹介した二カ所との一番大きな違いは、クラミジア専用かそうでないか、という点にあります。クラミジアついでに他の病気も、という方はこちらを選ぶと良いでしょう。
男性の場合、クラミジア他淋菌やトリコモナス等、女性の場合は、クラミジア他、淋菌等にかかっていないかどうか調べられるキットです。男性用と女性用で採取する検体が異なるため、購入・申し込みの際には、間違えたほうを選ばないように注意してくださいね。
クラミジアの治療方法
さて、検査によりクラミジアに感染してしまっていると分かったとき、あるいは「もしかしたらクラミジアかも」と思ったときに、気になってくるのはクラミジアの治療方法ですよね。
性感染症だから、特別は治療が必要なのでは? と、不安に思う人も中にはいるかもしれません。
しかし、それは杞憂です。この項目では、主な治療法を中心に解説していきます。特別な治療ではなく、一般的な病気の治療とほとんど相違ないので、安心のためにもご確認ください。
また、特定のパートナーがいる人は、パートナーも間違いなくかかっていると思って大丈夫なので、是非ふたりで一緒に治療を受けましょう。
抗菌薬の内服がメイン
性感染症は、感染症です。経路が特定されているだけの感染症です。
感染症には、抗菌薬が一番です。インフルエンザや風邪などと一緒ですね。それはクラミジアも例外ではありません。
クラミジアの治療に使われる薬は、アジスロマイシンという、効果が約10日間続く画期的な薬もあります。
そのほか、ドキシサイクリン、クラリスロマイシンといった薬を内服して治療をおこないます。
すべてそれなりに強い薬ではありますが、その分治療に適しており、しっかりと治すのに非常に効果的であることをご理解ください。
内服期間の長さ
いずれの抗菌薬でも、内服する期間はおよそ1週間から2週間程度の期間になります。投薬治療で、そんなに時間はかかりません。
妊婦の方がクラミジアの治療をする際は、先述した薬ではなく、ジスロマックという薬を用いることになります。これは、胎児への影響がほとんど無く、多くの産科で採用されている治療法・お薬になりますので、ご安心ください。
内服期間は、妊婦でもやはり1週間から2週間程度です。
抗菌薬の点滴
場合によっては、抗菌薬を内服するのではなく、直接点滴することもあります。
内服では治療をしきれなかったときや、確実に治す為に必要だと判断されたときなどは、ミノサイクリン等の点滴がおこなわれます。
1回あたりの時間は、病院によりけりですが、30分から2時間程度と覚えておくと間違いないでしょう。
服薬終了後の検査
クラミジアは、処方された薬をきちんと飲んだ、だけでは治療終了とはいえません。内服する期間が終わったら、もう一度検査を受けます。この検査の目的は、完全に治癒したかどうかを調べること、即ち、体内から完全にクラミジア菌がいなくなったかどうかを診ることです。
この検査が最も重要だといっても過言ではありません。「どうせ治っているだろう、大丈夫だろう」などと素人判断して、病院に行かずに検査を受けずに済ます、なんて思わないことです。
この検査は、内服期間が終わってからおよそ1ヶ月程度経ってから受けることになります。忘れないよう、スケジュール長を利用したり、携帯のカレンダーに書き込んだりするなどしましょう。
クラミジア菌の完全消滅が目的
クラミジアは自然治癒しません。また、自己判断で勝手に薬を飲むのをやめたりすると、薬の処方や治療の意味が失われてしまいます。
自然治癒の噂を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、その噂は、ただ単に他の病気の治療の抗生物質が、たまたまクラミジアにも効いていた、というだけです。それだって治ったとは言えません。
クラミジア・トラコマティスを完全に消滅させることが、治療の最大の目的です。
内服は忘れないように努め、点滴を受けることになった場合も、暴れて抵抗するなどしないようにしましょう。
クラミジアについてのQ&A
クラミジアについて、大体のことはわかっていただけたかな、と思います。長い解説になりましたが、解説を読み進めるうち、疑問に思ったこともあるでしょう。
筆者独自の考えにはなってしまいますが、疑問に思われるかな、私も疑問だな、と感じた点を取り上げて、最後に簡潔な質問形式でご紹介します。いわゆる「よくある質問」のコーナーとお考えください。
クラミジアかも、と思ったら?
まずは、自分にあらわれた症状が、諸症状に該当するかを調べてみましょう。無症状の人は、性行為およびそれに準ずる行為をおこなったのがどれくらい前だったかを確認しましょう。
どうしても不安、いずれは子供がほしい、性病になりたくないし、万が一罹患してもすぐに治療をしたい……といった人は、是非自宅で、郵送検査を利用して検査を受けてみてください。
まずは検査を受けることが大切です。郵送検査の結果が待てない人は、他の検査方法も調べてみるといいかもしれません。
服薬中のセックスは可能?
物理的には可能ですが、服薬が意味を成さなくなってしまう場合がありますので、やめておきましょう。
治療の目的は、体内のクラミジア・トラコマティス、要はクラミジア菌を滅することです。せっかく減少、あるいは完全消滅したような状態でのセックスは、場合によっては治療を振り出しに戻しかねません。長くても2週間程度の服薬期間です。我慢しましょう。
また、服薬期間が終わってからも、検査を受けるまでは我慢するべきです。長く感じられるかもしれませんが、ぐっと堪えて、治療後のご褒美だ、くらいに捉えてがんばってください。
治療後の検査は、本当に必ず必要?
本当に、必ず、必要です。
約2週間の服薬が終わって、さらに1ヶ月待ってからの検査は、億劫に感じられるかもしれません。しかし、クラミジアの治療というのは、この検査まで含めての治療になります。
逃げずに検査を受けましょう。
強い抗菌剤を服薬すると聞いて不安
過去に、薬剤でアレルギーが出たり、薬自体の効果が強くて吐いてしまったり、といった経験をした人は、内服に不安を抱えても不思議ではありません。ごく自然な感情です。
しかし、心配することはありません。そういったアレルギーや、あらわれるかもしれない副作用に対しては、医師が体に合わせた処方をしてくれます。
強い薬でこそあれ、それは無駄に強いのではなく、必要だから強い薬であることをご理解ください。
もし治らなかったら?
医師の処方・診断に従い、正しい服薬を続けていれば、必ず治ります。もし治らなかったらどうしよう、というのは、杞憂というものです。
大丈夫です。現代医学の進歩はめざましく、素晴らしいもので、必ず治ります。
しっかりと治療を受けましょうね。
クラミジア以外の性感染症
今記事では、クラミジアについてご解説・ご紹介をさせていただきました。
しかし、性感染症はクラミジアだけではありません。その他存在する代表的な性感染症を、最後に、簡潔にご紹介します。
梅毒
近頃、若年女性を中心に患者が増えている、全身性発疹などがあらわれる性感染症です。早期発見、および治療が肝要です。
カンジダ
体内にも存在するカンジダ菌により、体調を崩したときなどに発症します。女性患者がほとんどで、外陰部の耐え難いかゆみや、おりものの増加などがあらわれます。市販薬でも治療が可能です。
エイズ
ヒトの体の免疫機能を壊し、免疫不全を引き起こします。HIVというウイルスが発症したときにエイズと呼ばれ、風邪でも死に至りかねないような状態になってしまいます。なお、クラミジアにかかっている状態でのエイズ罹患率は、通常時の3~5倍です。
淋病
主にオーラルセックスで感染することが多いです。排尿時の痛みや、おりものの増加などがみられますが、気付きづらい性感染症です。
性器ヘルペス
男女ともに、性器に小さな水泡が出来、痛みやかゆみがあらわれる病気です。クラミジアと治療方法が似ています。性感染症の中では、非常に発見しやすいです。
トリコモナス
感染力が恐ろしく強く、濡れたタオルの共有やトイレの便座などからも感染しかねない、しかし発症には気付きづらい、厄介な性感染症です。
肝炎
血液からの感染が主な感染経路です。自覚症状はごく軽微ですが、肝硬変や肝臓がんに移行しかねない、恐ろしい性感染症です。早期治療が望まれます。
HPV
子宮頸がんの原因とされるウイルスであり、性感染症です。ワクチンなどで子宮頸がんの予防をすることがメインになります。
毛じらみ
かゆみを引き起こす小さな虫がうつることによって発症します。主に陰毛からかゆみを覚えます。虫なので、殺虫シャンプーや剃毛などで治療します。
その他
上記以外にも、尖圭コンジローム・軟性下疳・AIDSなど、実にさまざまな性感染症が存在します。性感染症の中には、二次障害的に重篤な病を引き起こすものも多いため、注意が必要です。
いずれにしても、コンドームの適切な使用や、しっかりした洗浄が予防になるので、怠らないようにしましょう。
まとめ
クラミジア菌が起こす症状自体はたいした脅威ではありませんが、呼び寄せるほかの病気が厄介すぎる、というのがクラミジアという病気です。長くなってしまいましたが、ご理解いただけたでしょうか?
兎にも角にも、発見・治療・再検査が大切な病気です。特に子供を望む人にとっては大敵となります。
自分の体を大切にするという意味でも、自分の将来を守るという意味でも、けっして他人事だとは思わずに、しっかり検査して、治療に臨めるように努めましょうね。