梅毒について
性感染症に対して、特別関心があるというわけでなくても、誰しもが必ず一度は耳にしたことのある病気だと思われる、梅毒。江戸時代より猛威を振るってきたこの病気について、きちんとした知識がある人は少ないでしょう。
この記事で、梅毒とは何かを知り、予防や治療など、それぞれの対策を取れるように。また、検査キットの存在や使い方を知り、いざというとき焦らず動けるよう備えましょう。
梅毒とは
ざっくり言ってしまうと、「細菌による性感染症」が梅毒です。
梅毒トレポネーマという、伝播力の非常に強い菌が、皮膚や粘膜の傷口から入り込むことで感染します。
性病と言っても、性行為をしていなくても感染する可能性があります。極端な例になりますが、指先の小さな傷口同士からでも感染する恐れのある、わりと怖い病気なのです。
症状に、発疹などがあり、その様子が楊桃(ヤマモモ)の果実に似ていたことから、言葉が移り変わり、やがて梅毒と呼ばれるようになりました。
梅毒の歴史
15世紀(1400年代)、爆発的に世界中へと広がり、現在も患者を出し続けています。
かつてコロンブスが率いた探検隊が、アメリカ新大陸を発見した際、原住民女性と交わったのが最初の感染といわれています。ヨーロッパに持ち帰られたその細菌、梅毒は、あっという間にヨーロッパ全土へ広がり、日本へも魔の手を伸ばしました。1940年に抗体が見つかるまでは、不治の病とされていました。日本も例外ではなく、多くの死者が出、治療もできずにいました。その症状から、「鼻が落ち、脳が腐って死んでしまう」という言葉も残っています。
現代の梅毒
現在も、梅毒は患者がいます。近頃では、若い女性の罹患者が多い傾向が見られます。
症状は昔から今も変わらなくて、発疹があらわれた段階で気付くことができないと、そのまま進行を続け、重篤な症状・体への影響を与えます。現代は、優れたコンドームがあるため、予防は出来ますし、過度におびえることはありませんが、危険意識は各々がしっかりと持っておくべき病気といえるでしょう。
流行の可能性
梅毒の流行は、現代でも十分考えられます。詳細はのちに記しますが、梅毒を他者に感染させてしまう期間中の性行為等が原因で大流行、という危険も想定できます。
性サービスを提供する、いわゆる風俗店などでの女性との接触等がきっかけにもなり得てしまうのが、梅毒の恐ろしいとこおです。きちんと検査や予防をしている女性なら大丈夫ですが、男性の皆さんは、遊ぶ際にはしっかり弁えたお店選びをして、気をつけるようにしてください。
梅毒がもたらす危険
症状が進行し、菌が脳を侵してしまえば、最悪死に至ります。他にも、不妊の原因になったり、気が付かないうちに感染者を増やしてしまったりすることが、梅毒がもたらす危険として挙げられます。
特定のパートナーしかいない、というならばまだしも、不特定多数と性行為を行った場合、相手から自分・自分から相手、両方が考えられる上に、感染源を特定できず、本来不要な怖い思いをする可能性もあります。怖い思いをしたがために、精神を病んでしまうことも考えられます。梅毒は、危険を挙げればキリがない、恐ろしい病気なのです。
梅毒の症状
梅毒の症状は、長期に渡ってあらわれ、その間さまざまな変化が起こります。進行具合は4病期に分類され、それぞれ違う症状が発言します。
一言にあらわすのは困難なので、分かりやすいようひとつひとつ見ていきましょう。
塊が皮膚に発生
梅毒には、症状の無い潜伏期間が存在します。感染から、およそ3~4週間程度です。その潜伏期間を経てから、様々な諸症状があらわれ始めます。
第1期と呼ばれ区分される時期は、潜伏期間が終わってすぐのころです。男性ならペニスの冠状溝(亀頭と竿のくびれの部分)、女性なら外陰部や膣などに、下疳(げかん)というものが出来ます。
下疳とは、初期硬結とも呼ばれる、痛みの無い腫瘍で、しこりのようなものです。肛門付近や直腸、唇や舌、喉、子宮頸部といった場所にあらわれることもあります。
大きさは、大体小豆ぐらいから、指先大のものまで様々です。
リンパ節の腫れ
主に第1期にあらわれる症状です。第1期から第2期にかけて見られることが多く、皮膚や陰部に発生した先述の下疳と共に発現することも。
リンパ節とは、リンパ管の途中にある、1mmから25mm程度の大きさの、リンパ系の器官のことで、梅毒時に腫れることが多いのは、太ももの付け根である鼠蹊部です。
そもそもリンパとは、人間の体に備わっている免疫器官のひとつです。体にとってよくない細菌などを壊す免疫機能と、老廃物を体外へ排出する排泄機能があります。
リンパ節が腫れるのは、まさに梅毒トレポネーマというよくない細菌と体が戦っているからなんです。
全身性発疹
梅毒の進行が進み始めたころにあらわれます。というのも、感染して3か月ほど経ったら、血液がトレポネーマを全身に運び始めてしまうからなのです。リンパ節が腫れた、腫れが引いた、じゃあ梅毒は治った……ということでは、けっしてありません。
血液の巡りと一緒に、細菌が全身へ行き渡ってしまうので、非常に広い範囲に発疹があらわれてしまいます。梅毒によってあらわれるこの発疹を、俗に「バラ疹」と呼びます。
皮膚や粘膜にポツポツとあらわれる赤い発疹を花の名前で呼ぶとは、皮肉めいていますね。
臓器に発生する腫瘍
第3期と呼ばれる時期に入ると、ゴム腫と呼ばれる腫瘍が、骨や内臓などにできます。
感染から、大体3年から10年が経過したころに見られます。この期間の幅広さは、それだけ症例数が多いということであり、個人差が激しいということでもあります。
また、これはきちんと治療を受けていれば、ここまで進行しないためにあらわれない症状です。
鼻や骨が細菌に侵され、陥没してしまう……というのは、この時期の患者に見られた現象でした。現在では殆どありません。
死亡する場合も
10年以上が経過して、なおも適切な治療ができていない梅毒は、第4期に区分され、病気としては末期になります。
骨などにとどまらず、心臓・血管・神経・目などに重い障害があらわれてしまいます。脳が侵され、人格障害が見られる場合もあり、大動脈が破裂して亡くなってしまうことも。
しっかりとした治療を早期に受けられれば問題ないものの、治療を受けずに放置していると、とても恐ろしい、というのが、梅毒という病気です。しっかりと対策をしましょう。
梅毒の感染経路
では、梅毒の感染経路は如何なものなのか、見ていきましょう。さまざまな経路がありますので、その中でも、とりわけ取り上げられやすい感染経路を絞ってご紹介します。
性行為による感染
性感染症ですから、基本といえば基本です。粘膜同士が触れ合う行為、といったほうが、より正確ではあります。
性別の組み合わせを問わず、性的接触が発生したら、必ず梅毒感染のリスクは伴います。
パートナーが男性の場合、コンドームを使用することである程度リスクは下げられますが、100パーセント防げるわけではないことを念頭に置いてください。
また、以下2つ、性行為から敢えて分けた2種のセックスについて記していますので、そちらもご確認ください。
オーラルセックスによる感染
性器と口が触れ合うセックスですね。挿入していないから大丈夫、なんてことはありません。接触している時点で大丈夫ではないのです。
クンニやフェラのみでも、性器と口が触れ合っている性行為をしていることに変わりはありませんので、片方が梅毒に感染している場合は、もう片方も感染してしまいます。
フェラのみの場合は、コンドームを着用すれば感染リスクを軽減できますが、クンニでは回避ができないので、梅毒にかかっている場合、もしくはその可能性が少しでもあるときは、オーラルセックス自体を避けるのがベターです。
アナルセックスによる感染
出血を伴いやすいため、挿入ありきのセックスの中でも、感染リスクが高いです。
コンドームを使っていようが、しっかり下準備をしようが、わずかな傷同士、または傷があるところと粘膜が触れ合えば感染しやすいです。
アナルは、内部を含めて非常に傷つきやすいですし、下準備中に傷ができないとも言い切れませんよね。
梅毒は非常に伝播力が強いです。オーラルセックス共々、梅毒の可能性があるときは避けるべきです。
輸血による感染
近頃ではありえませんが、一昔前までは、梅毒患者の血液を輸血することで感染してしまうパターンがありました。
現在の献血・輸血は、安全性が第一で、病気にかかっていたり、強い薬物を服薬している人の血液は、採血の時点ではじかれます。ですので、この感染経路については、考えなくても大丈夫です。
傷口同士の触れ合いによる感染
非常に極端ですが、指先の傷同士が触れ合う、といった、小さな接触でも感染は起こり得ます。
陰部にわずかでも傷がある状態でのセックスなどは、梅毒の感染はほぼ間違いない、と思ったほうが良いくらいです。梅毒は、それほどまでに感染力が強いのです。
胎盤を通じての感染
いわゆる先天梅毒です。
母体から赤ん坊へ感染してしまう場合を指します。しかし、母親が梅毒でも、妊娠初期のうちに然るべき治療を受ければ、赤ん坊への感染は防ぐことが出来ます。
先天梅毒に限りませんが、しっかりと然るべき検査や治療を受けることが非常に大切なのです。
梅毒の予防方法
治療よりも予防が先、というのは、どんな病気でも共通していますよね。
梅毒の場合、何が予防になるのか、この機会に覚えておいてください。
性行為そのものの自粛
最も確実です。
感染経路が多岐に渡っても、結局一番感染リスクが高く、なおかつ感染例が多いのは性行為によるものです。
梅毒が怖い、どうしても・絶対に感染したくない、という人は、性行為、厳密には他者との性交渉をやめておくのがよいでしょう。
他者との接触を避けるべき、という話なので、オナニーは問題ありません。
不特定多数との性行為の自粛
セックスフレンドとだけ、パートナーとだけ……というように、性行為の相手が限られているならば、感染源の検査や治療、特定もスムーズです。しかし、不特定多数が相手となれば、それだけ病気のリスクは高まりますし、検査の手間もかかります。誰が感染源なのかもわからないのでは、再感染のリスクも同時に高くなります。
セックスの相手は、多くても自慢にはなりません。控えましょう。
キスの自粛
「えっ、キスもダメなの?」と思われるかもしれませんね。これは、相手が梅毒に感染している場合、もしくは不確定な場合です。
梅毒は粘膜同士の接触により感染します。口も粘膜ですので、キスも当然感染経路に含まれてしまうのです。不確定な場合などは、控えておくのが吉でしょう。
しっかり検査済み、完治済みであれば、もちろん大丈夫です。
コンドームの着用
コンドームは、望まぬ妊娠だけでなく、性病からも守ってくれます。非常に優れた品です。
どうしてもセックスがしたい、でも梅毒は怖い……というような人は、必ずコンドームを使用してプレイに臨んでください。
ただし、あなたが女性なら、相手が「コンドームがあったらイけないから生でしたい」などと言い出したときはそのまま服を着て帰りましょう。相手にする価値もありません。あなたが男性なら、生でしたがる夫婦関係に無い女性とは、セックス自体を辞めてそのまま縁を切りましょう。必ず未来で、あなたの人生を滅茶苦茶にしてしまうようなことをやらかします。
コンドームは、日常生活におけるパンツのようなものです。最低限のモラルです。
梅毒かどうか関係なしに、コンドームは正しく、きちんと使用してください。
梅毒の検査キットのご紹介
さて、梅毒かどうか疑いを持っている、自分がそうなのではないかと不安に思っている方が、この記事を読んでいるのではないかと思います。
そんな方に、自宅で梅毒に感染しているかどうかを検査できる、検査キットをご紹介します。
GME医学検査研究所
自分自身で採血し、その血液を郵送して検査をしてもらう検査キットです。
自分で採血するために、ハードルが高いように感じられますが、ホームページには、分かりやすく丁寧な手順が載っていますので、心配はご無用です。
正確な結果を、素早く知ることが出来るのが、こちらのキットです。男女共通で使えます。
医学研究所ですので、結果はどこよりも信用できますね。
STD研究所
梅毒以外の性病(STD)も調べることが可能な検査キットです。自分で採血することには変わりありません。調べられる病気は、男女で異なります。
男性の場合は、梅毒他、HIV・クラミジア・淋菌・B型肝炎。女性の場合は、梅毒他、クラミジア・淋菌・トリコモナス・カンジダ・HIV・B型肝炎に感染していないかどうかを検査してもらえます。
早期発見が重要な性病を一通り調べられ、家にいながら、結果はしっかりと知ることが出来る検査キットです。検査結果が出る予定日がわかるのも特徴で、内心、病気ではないかと焦っている方には特にオススメです。
ふじメディカル
こちらも、一通りのSTDを検査できる検査キットです。
検査キットを申し込んでから、キットが届くまでの期間が非常に短く、検査自体も、結果通知が抗体到着から最短2日というスピーディさを誇っています。
自分で採血する、というのはこちらも変わりません。
梅毒検査だけでいい、という方には、こちらの検査キットがオススメです。梅毒の検査ついでにHIVに感染していないかどうかを調べられるキットを選ぶのが良いでしょう。
梅毒の治療方法
主な治療方法はひとつしかありませんが、時と場合によってさまざまな対策がとられます。
その内訳については、知っておいて損はないはず。どういった治療を受けることになるのか、この項目で確認しておきましょう。
抗菌剤の内服が主な治療
梅毒の治療には、ペニシリン系内服薬による投薬治療が主におこなわれています。
これは殺菌作用のある薬で、かつ梅毒トレポネーマが体内の細胞に結合するのを防ぎ、体内に広がっていくことを防ぎます。
妊娠している場合や、ペニシリン系薬剤にアレルギーがある場合は、別の薬を用いて治療を行います。
内服期間の長さ
個人差はありますが、第1期は2~4週間、第2期は4~8週間、第3期より以降は8~12週間、内服・投与が続きます。長期間の投薬治療になりますが、しっかりと忘れず、処方に従っていれば、必ず治すことができます。
長期間であることにめげないで、主治医の言うことに従ってください。
抗菌剤の点滴
通常の梅毒治療ではまずとられない手段です。よって、極めて限定的な治療になります。
脳や脊髄が梅毒トレポネーマに侵された状態であらわれる諸症状を、神経梅毒と呼びます。
神経梅毒では、中枢神経系が細菌に侵されてしまっているために、内服薬の投与だけでは治療は難しく、抗菌剤を直接点滴することになります。この場合は、入院が必要になることが多いです。
完治させられる病気ということ
梅毒は、一度かかってしまったら、二度と陰性に戻ることはできません。
しかし、抗菌剤の投与や内服によって、血清を陰性程度まで下げること、即ち完治させることは可能です。梅毒は、治る病気ということです。
適切な処置をおこなえば、しっかりと治すことができるというのは、昔までは考えられないことでした。
梅毒が不治の病とされていた時代は過ぎ去りました。そのことをよく覚えておき、いざというときは抵抗無く治療に取り掛かれるようにしておくとよいでしょう。
梅毒についてのQ&A
疑問に思われることが多い事柄や、筆者自身が疑問に思ったこと、誰しもが不安に思うような点を探り、質問式で挙げてみました。知識として備えておくだけでもきっと心持ちが変わるかと思います。
梅毒かも、と思ったら?
まず、心当たりがあるかどうかを思い出しましょう。直接粘膜同士で接触した性行為はいつごろだったか? 自分にあらわれている症状は梅毒の症状に該当するか? そういったことを調べるためにも、必要なことです。
該当していた場合や、心当たりがある場合は、検査キットを用いて検査をしましょう。
早期発見が非常に重要な病気ですので、疑わしい症状があらわれたら、即検査をするべきです。
検査キットだけでなく、健康センターなどで検査を実施している自治体もあるので、そういったサービスを使うのも一つの手です。
また、パートナーとの性行為等は、疑いを持った時点でやめておくのが良いです。
入浴による感染は?
梅毒の人が入った湯船に浸かったら、自分も感染してしまうのではないか、と思われる方もいるかもしれないと考え、この項目を入れました。
結果から言えば、同じ湯船に浸かったから感染する、ということはありえません。
粘膜や傷口同士の接触が発生しなければ、同じ湯船に浸かっても何の問題も無いです。心配無用です。
ただし、スーパー銭湯などのサウナに入るときなどは、くれぐれも注意してください。
サウナは必然的に、見知らぬ誰かとの陰部と間接的に接触してしまうことになります。そのため、座る場所や敷シートをよく洗浄しておくか、使い捨てタオル等を敷いて座るのが吉です。
実際に、サウナで他の性感染症になってしまう、という例はあります。梅毒自体にはかからなくても、他の性感染症になってしまっては困りますよね。きちんと注意するよう、心がけてください。
完全に予防することは出来る?
“性交渉自体を一切しない”ことが可能であれば、完全に予防することはできます。
梅毒は、繰り返しになってしまっていますが、粘膜同士の接触が主な感染経路です。それを完全に絶ってしまえば、必然的に梅毒になることは無くなります。
しかし、なかなかそうもいかない、という人もいますよね。
その場合、コンドームの着用や、パートナーを一人に絞って、二人で対策をする、などしましょう。ただし、性行為をする以上は、完全な予防は成り立たないので、注意が必要です。
梅毒の再発はある?
一度梅毒にかかった人の体内には、梅毒に対する、一定の抗体が作られます。完治後は、ある程度までなら梅毒を防げます。
ただ、パートナーが梅毒にかかっていたり、そういった病気を持っている人と体の関係を結んでしまうと、再感染してしまうことがあります。
「一度かかって、もう完治したから大丈夫」、ということはありません。
危険意識は、完治してからも捨てないようにしましょう。今治療中の方、あるいは検査中の方も同様です。
予防で特に気をつけるべきことは?
特に気をつけるべきことは、ずばり「予防しているから感染はしないだろう、という油断は絶対にダメ」ということです。
オーラルセックスやアナルセックスを避けたり、コンドームを正しく使用していても、性交渉をおこなっていたり、パートナーと同じ生活空間で暮らしていたりすれば、他の感染経路で梅毒になってしまう可能性は十分に考えられます。
100パーセントの予防は、性交渉を避け、傷口の接触を徹底的に避ける、といった、細やかな意識の分配でしかおこなえないのです。
予防しているから大丈夫、ではありません。危険意識は常に持っておきましょう。
梅毒以外の性感染症
さて、梅毒については以上です。
きわめて簡潔な紹介にはなりますが、梅毒以外の性感染症について取り上げます。
クラミジア
感染する可能性がとても高い性感染症です。ペニスや膣からの分泌液や、排尿時の痛みなどが症状としてあらわれます。
カンジダ
体内にも存在するカンジダ菌により発症する性器の病気です。女性の方が発症が多く、ストレスや体調の変化による発症がほとんどです。ひどいかゆみが特徴です。
エイズ
HIVというヒト免疫不全ウイルスに感染し、そのウイルスが免疫細胞を破壊して、免疫不全を起こしてしまう病気です。性感染症の代表格であり、最悪の場合死に至る感染症です。よく気を付けましょう。
淋病
オーラルセックスによる感染が多い性感染症です。男性は排尿の際に痛みが起こりますが、女性はおりものが多くなる程度で、感染に気付きづらいです。
性器ヘルペス
男女共に、性器に小さな水泡が多くあらわれ、痛みとかゆみが続きます。再発を抑え、ウイルスをなるべく減らす治療が施されます。
トリコモナス
濡れたタオルやトイレの便座といったものからの感染もありえる恐ろしい性感染症です。女性は、おりものが増えたり、外陰部にさまざまな不快症状が見られますが、男性は排尿時にわずかな痛みがある程度で、気付きづらい病気です。
肝炎
主に血液から感染します。性行為やそれに準ずる行為、オーラルセックスなどでも感染するリスクがあります。C型・B型を問わず、肝硬変や肝臓がんに移行する可能性がありますが、自覚症状は軽いという、恐るべき病気です。
HPV
子宮頸がんの原因とされるウイルスのことを指します。主に性交渉によって感染します。とはいえ、性交渉経験のある女性の80パーセントが感染する、ありふれたウイルスであり、恐るべきはこのウイルスそのものではありません。子宮頸がんの予防が肝要です。
毛じらみ
感染して1か月から2か月程度で、陰毛にかゆみがあらわれて自覚することが多いです。陰毛に限らず、腋毛や胸毛、肛門付近に感染することもあります。名前の通り、原因は虫なので、剃毛や殺虫効果のあるシャンプーの使用が治療になります。
その他
その他、尖圭コンジロームという、性器・肛門まわりにイボがあらわれる性感染症が存在します。コンドームを正しく着用すれば、性行為をおこなっても予防が出来るので、しっかり頭に入れておきましょう。
まとめ
医学的に信憑性の高いサイトや文献などを参考に、記事を執筆させていただきました。
性感染症は、ときにヒトを死に至らしめる力を持っています。性病はすべて、予防と早期治療が非常に重要だということを、お分かりいただけたでしょうか?
セーフティーセックスしかしていないから、自分は大丈夫……などとは思わずに、常に感染のリスクを念頭に置いて、しっかりと対策を続けるように。また、検査も怠らないようにして、感染源にも感染者にもならないよう、気をつけていきましょう。
楽しい性生活のためにも、健康のためにも、性病の予防は欠かせません。きちんと予防や対策をしてくださいね。